農家でも情報通信技術を使うという、農業ICTの時代といわれている現在。あらゆるドローンに対応した Parrot Sequioa(セコイア) は、作物の管理や分析を行うことができるマルチスペクトルカメラ。まさに次世代を担う農業に欠かせないマルチスペクトルセンサーともいわれる製品です。

ここでは、Sequioa の優れた性能について解説します。

農業ICT マルチスペクトルカメラ Sequioa


日本の食文化を守るべく、そして次世代につなげるスマート農業ために、日本各地でさまざまなセミナーが行われています。これからの農業には、ドローンをはじめとするlot技術やAIが要となるのです。

Parrot社が開発した Sequioa(セコイア)は、農業リモートセンシングに欠かせない、マルチスペクトルカメラです。高い性能を持ちながらも重量はわずか110gという、手のひらに収まるサイズ。そのような点から、全てのドローンに対応しているというのが Sequioia 最大の特長です。

リモートセンシングとは
作物の育成状況や、害虫また疫病の被害などを監視するシステム。

収穫量やその品質などの向上のためにどのくらいの肥料散布が必要なのか?など、状況を把握する意味合いで使われていた言葉だが、農業ICT化が進むとともに、情報収集をする意味も加え使われている。

マルチスペクトルカメラである Sequioia を使うことにより、作物の健康状態を収集して、適切な時期に適度な量の肥料を撒いたり害虫駆除薬の散布を行うなど、コストを抑える一方で収穫量を高めることが可能となります。

では、「どうしてそれができるのか?」 Sequioia の性能を説明しながら解説します。

マルチスペクトルカメラとは

マルチスペクトルという名を初めて耳にする方もいるでしょう。日頃、私たちが使用しているデジタルカメラはRGBカメラといわれています。RGBカメラは、2次元という平面データを色や光の強弱で表すものとして、人間の視覚に近いイメージとして得られる情報です。

一方で、マルチスペクトルカメラとは2次元の平面データに、光の波長情報を加えたものです。2次元のデータが波長ごとに生成され、層で成している情報です。

マルチスペクトルカメラには他にもマイカセンス社の RedEdge(レッドエッジ)などがありますが、弊社ではParrot社の Sequioia を使用しています。

マルチスペクトルカメラ Sequioia の性能

Sequioia では、5つの波長(青、緑、赤、レッドエッジ、近赤外)を同時に撮影することにより、食物の分布状況や活性度などの情報収集ができます。これらの情報を画像データ化して、適切な肥料散布や害虫駆除作業を行うというシステムを構築できるのです。

Sequio に搭載されたセンサーは2つ。

センサー設置個所役割
マルチスペクトルセンサードローン正面異なる4つの部分で反射する光を記録
日照センサードローン上部4つの光帯域で太陽からの光の密度を記録

マルチスペクトルセンサーでは、赤外線や近赤外線など4つの帯域を、それぞれ120万画素で記録します。

日照センサーでは、日光の状態を把握する役割を担います。これにより快晴や曇りなど、天候による生育状況を把握できるのです。また日照センサーは、自動的にカメラ出力の調整を行う役割もはたします。

人の目では判別不可能な異なる波長をマルチスペクトルカメラで撮影し可視化することにより、食物活性状況を把握します。

GPSを搭載しているのでドローンの位置を把握して、IMUという慣性計測装置でドローンの姿勢傾きを観測する。GPS/IMUともいわれる同時観測をすることにより、計測効率や精度のアップにつなげることができるでしょう。

またSequioia は、Wi-Fi接続とUSB接続の両方に対応しています。パソコンやタブレット、スマートフォンなど、どのデバイスからもデータへのアクセスが可能ということも Sequioia が持つメリットです。

Sequoia が発揮する場面とは

GPS、16MPのRGBカメラ、IMU(慣性計測装置)、64GBメモリー、日光センサー搭載といった高スペックを持ちつつも、重さはわずか110gで手のひらに収まるサイズ。そのためどんなドローンにもつけられます。

  • 特別な注意が必要な農場エリアの特定
  • 栄養不足状態の検出
  • 生物由来のストレスの検出
  • 水分補給が必要な場所の特定

主にこれらに有効的です。Sequioの持つ性能は、小型であるにもかかわらず実力はかなりのものといえるでしょう。

作物の収穫量の算定もでき、人間の目には見えなかったデータを読み取ることができるSequoia の技術は、農業改革を助長するもの。低価格でドローンを使った精密農業をはじめるのには、まさに最適なマルチスペクトルカメラです。

現在弊社では、このSequoia を飛行機能に優れたドローン 3DR SOLO に搭載して、Pix4Dmapper というソフトウエアで解析を行っています。

用途に応じてドローンは交換自由

タイプ適応範囲飛行高度特徴
固定翼広域70m~152m地域全体を広範囲にカバーし、長時間の飛行に耐えられる。
回転翼狭域9m~152m特定範囲を局地的にカバーし、短時間の飛行で作業ができる。

 
どんなドローンにもつけられるSequoiaは、ドローンが固定翼か回転翼かによって、用途を分けることができます。

広範囲をカバーするには、長距離飛行もできる固定翼タイプのドローンが利用されています。一方で、狭い範囲になると、低高度かつ低飛行ができるドローンのほうが適しています。

食物の監視範囲によりドローンを使い分けたほうが良いですが、Sequioia は両者どちらのタイプにも付けられる柔軟性あるカメラです。また、ドローンにある micro-USB から電力供給ができるので、バッテリーは不要というのも嬉しいメリットです。

日本国内では諸外国のような大きな農地は少ないため、回転翼(マルチローター)の方が実用的。精度も高く活用するには適しているといえます。弊社で使用している 3DR SOLO もこちらに該当します。

Sequioia の主なスペック

製品名Sequioia
本体
サイズ59×41×28㎜
重量72g
カラーカメラ 16MPX
解像度4608×3456
4波長カメラ 1.2MPX 10BIT グローバルシャッター
解像度1280×960
日照センサー
サイズ47×39.6×18.5㎜
重量35g
センサー4つ
対応スロットSDカード

生育の見える化~スマート農業の時代へ

これまでは、経験を積んだ農業従事者による知見で管理してきた農業ですが、後継者不足や若者の農業離れにより成り立たなくなってきているという苦しい現状があります。そういった観点からみると、ドローンやマルチスペクトルカメラなどを使ったリモートセンシングによる植生分析は、まさに次世代へ農業をつなげる第一歩であることは間違いありません。

近年、さまざまなベンチャー企業や大学などで、マルチスペクトルカメラの研究そして実証実験が行われています。ドローンメーカーや自治体、また生産者などとも協力して、リモートセンシングによる農業の発展につなげています。

スマート農業とも呼ばれるICTを使う取り組みは、これからの日本ビジネスの基盤の1つともなるでしょう。